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改正行政書士法の解説とこれからの行政書士業務(3)
戸口 勤
第一条の三第2号の代理
 第2号の代理は、第1号の代理とは少し概念を異にする私法上の代理であり、第2号の代理は、当事者間における「意思の合致」を得る為の代理が中心である。
 第2号は、「書類を代理して作成する」と言う概念はあり得ないので、「代理して作成する」ではなく「・・代理人として作成する・・」と規定され、「人」の一文字が入ったことは画期的改正であり重要な意味が存在する。第2号の代理は「契約締結代理業務」が前提として存在し、その代理人として契約書を作成する意味であると解する事ができるからである。
 「契約締結代理」「契約相談」が新たな行政書士業務となったのである。今でも、「同じ業務を取り扱っている」と主張する行政書士もいる。しかし、注文に規定され行政書士の法定業務とされた事は評価すべきである。取り扱っても違法でない事と業務は、行政書士賠償責任保険の担保範囲にもなりうる。
改正反対の根拠はなにか
 行政書士法改正反対者の考え方は、第1号とこの第2号代理を独占業務にすべきであると主張した。しかし、弁護士法第72条は「争訟性の有る法律事務」に限定すべきであると主張し、「契約締結代理業務」は「争訟性の無い法律事務」で弁護士の独占業務では無いとして第2号の行政書士業務に取り込んだ。それを行政書士の独占業務にする理由づけには矛盾がある。
 且つ、司法制度改革の中で、関係省庁、最高裁等の立会いの下に「弁護士の独占業務は『争訟性の有る法律業務』に限られる」と確認された事も行政書士にとっての大きな勝利である。
 代理業務を行政書士の独占業務とする事は、規制緩和の趨勢の中、時代に逆行する団体エゴでしかない。行政書士の独占業務は、第1条の2の「書類作成業務」で充分に余りある。
争訟性の有る法律事務(弁護士との業務)
 次に示談書と示談交渉についてであるが、示談書の作成は、一見「争訟性の有る法律事務」に思いがちである。しかし、示談書は、紛争の結果締結をするものであり、新たな紛争を生じさせない、紛争が再発しない様にする為の合意書である。そこには紛争の終焉が有り、示談書は「争訟性の無い法律事務」と解する事ができる。従って、示談書の作成を「民民」の業務範囲をして大いに取り扱うべきである。示談交渉は、「争訟性の有る法律事務」であり報酬を得る目的で行う事は弁護士の独占業務であろうが、国民の利便性を考えた場合、簡易裁判所の事物菅轄と同額(少額)の示談交渉は行政書士が取り扱うべきであり、今後の課題として検討の要するところである。
 下級審の判決では少額の示談交渉は非弁活動に当たらないとするものもあるが高等裁判所で取り消されている。(非弁活動=弁護士法七二条違反のことを言います)
 紛争の内在する内容証明郵便を代理人として発すれば非弁活動になる。非弁活動の法律行為は無効であり、本人の追認が有っても有効にはならないので注意を要する。しかし、争訟性のある法律事務(内容証明等)であっても、書類作成として取り扱えば正当な行政書士業務と解する。
まとめ
 私法上の代理が法文に規定された士業は、行政書士、弁護士、弁理士の3資格のみであって税理士、司法書士、社会保険労務士の士業法にはその規定が無い。そのすばらしさを知る時、法律家としての認識と責任の重さを感ぜざるを得ない。同時に、会員一人一人が研鑽を積み、常に国民の利便性並びに公益的責務を意識し、そのニーズに応えなければならない使命を日々痛感する。