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当会、山内事務局長 LEC東京リーガルマインド、法律文化増刊号(1995年9月15日)に
インタビュー記事掲載されたので紹介します(事務局)


実業家インタビュー

経営者としての行政書士


行政書士 山内 常男先生
きき手/LEC専任講師 松本 元
略歴
◆ 山内 常男(やまうち つねお)
◆ 昭和54年行政書士登録
   現 東京都行政書士広報部長
   建設業・宅建・産業廃棄物許可を専門に活躍中
東京巣鴨・とげぬき地蔵の向かいにある、先生の事務所に訪問しました。先生は建設業を専門に
事務所を経営されているベテランで、LEC「行政書士専修講座」で実務の教鞭を取られています。
松本 行政書士になられたきっかけをお聞かせ下さい。
山内 きっかけは、私は「オール生活」という雑誌の読者でして、その読者と経営や利殖とか、
人間関係などの勉強会を作りました。そのとき自分は何かのコンサルティングに向いて
いるなと思ったんです。
ずいぶん職業を替えたんですが、ある経営商工事務所で営業をさせられたんです。
その商工事務所はいわゆる「非行政書士」の事務所で、長くいても自分自身勉強に
なりませんので、次は行政書士事務所の補助者になりました。そので2年間勉強して
昭和53年に埼玉・千葉・東京別々に受けました(編注:昭和61年まではブロック別に
試験が実施され、現在の様な全国統一の試験ではなかった)。東京の合格通知が
一番最後にきたので、昭和54年1月に東京会に入りました。そして今にいたっています。
 今は、一応稼いでいるから自信をもってしゃべれるんですけど、この仕事はこつこつと
やると相当収入になるんです。収入はいいです。
それでも始めたときの資金は、たったの7万円なんです。
松本 その7万円の内訳を教えてください。
山内 7万円は・・・これはいろんな、例えば(書士会への)入会費を出して、それから電話も
取り付けて残った現金が7万円です。それで、DMを細かく何回も出して仕事が入ったら、
またDMを出し無駄な経費は抑えました。この仕事はだらだらやっていると疲れちゃうんです。
短期間に何十社、何百社というお客さんを獲得しないと、大変かったるい商売なんです。
稼げないのは、やり方に原因があると思う。私はひとつの情報集約サービス産業だと
思っていますので、「士」商法じゃないと思うんです。一般の商人と同じと思います。
お客さんからすれば、自分を一番大切にする人が一番好きなんです。だから自分の
ところに来たお客さんを大事にしてあげるとか、面倒みてあげるとかして。それでも
値段(報酬金額)で去っていく方は、縁がなかったとあきらめます。
私の事務所に合わないお客さんっているんですよね。すぐ報酬金額を値引いたり、
支払いの悪いお客はいるじゃないですか?
そういった方には、次回から案内出さないで・・・。
松本 それでは、ある程度お客さんはこちらで選んでいる訳ですか?
山内 ええ。10社、20社と顧客がいなかった時はお客さんに私が合わせたんです。
合わせるのって大変神経を遣うので、今は山内に合う人がついてきてくれればいい。
だから店で言うと建設業許可手続の専門店です。その専門店に付き合っていると
得すると思う方が、私の事務所を利用してくれればいい。今も見込み客は200社以上
あります。その方に情報提供していると、自然に少しずつ私のお客さんになってくれます。
根気よくやるんです。
松本 具体的なアプローチの仕方というのは、やはりDMなどですか?
山内 そうです。DMは一番最初。それからファックスシステム(顧客に)一斉に
ファックスを送るんです。
松本 具体的にはどういう情報を送っているのですか?DMとファックス両方送るわけですか?
山内 さっと送ります。(「ぷろめっせ」という名前のワープロで作った印刷物を見せる。
内容は建築業法改正の情報が細かく記載してある。)
これ、「約束」という意味なんです。お客さんに「約束します」という意味です。
松本 やはり、改正法情報など、一斉にファックスで流したりすると、反応が多くありますか?
山内 あります。何か問い合わせとか(反応)がありますね。お客様と私の関係というのは、珍しい
と思うんですよ。行政書士でこういうことをやる方が少ないもので。
松本 このお仕事、「だらだらやると疲れる」という事でしたが、集中して成功する方法はありますか?
山内 この仕事をしていて将来の目標とかはありますね。家を建てたいとか。頑張ればやれるのに、
年間売上が1千万いかない方はザラですから。増やすのはやる気があれば簡単です。
一番大事なことは、あまりみんなに教えない(笑)。でも言います。それは、自分のお客さんを
獲得するときに(人脈)分析するんです。同窓、同郷、同志とかの人脈ですね。それから同業、
同好、そういった形で分けて、リストアップして徹底して営業します。
無駄なお金は使いません。
松本 (そうして顧客が増えていった理由が)先生のお人柄だと思うのですが、せっかくのチャンス
があっても輪が広がっていかない、しぼんでいってしまう行政書士の方もいらっしゃると思い
ますが、それはどういうタイプの方に多く見受けられますか?
山内 それ、伸びない方は自分の仕事だけでなくて、仕事以外に社会に役に立つことをやらないから
です。そういうことをやるようになったのはこの方と対談したのがきっかけです。
(「オール生活」の対談記事を見せる)
松本 太陽工業の社長さん?
山内 東京ドームを作った、能村龍太郎さんと会ってから、結局「(収入を)伸ばすには、仕事以外に
なにかプラスになることをしなさい」と、その方にアドバイスを受けたんです。それからいろんな
講演会とか、定期的にやってきます。あとボランティアをやってきます。
松本 行政書士試験を勉強中で、あるいは勉強しようとしている方は、確かに不安だと思うん
ですよ。先生から御覧になって、これだけは守ったほうがいいというアドバイスをいただ
けませんか?
山内 計画を立てることが必要です。この1年で何10社、次は何10社と。それで売上目標をグラフに、
実際の売上の金額を書いて、ああ足りなかったからがんばろうとか、それを守ってきました。
松本 がんばろうということで、あの手この手を考える訳ですね。
山内 そうですね。それとやはり「実務力」と「営業力」と2つ合わさなきゃダメなんです。一番大切なの
は、この仕事にあっているかどうか、再確認していただいて、この仕事が好きだから収入が少な
くてもいいんだという方もおりますが、月収100万円を目標にしないとおもしろ味がないんです。
大体粗利が7割ありますから。結構いい商売なんです。目標を立てたら、見込み客にアタック
するやり方をどうするかということです。
松本 営業なり、公告なりすればするだけの効果はありますか?
山内 お客さんをさっき話したように、5つの「同」とひとtのボランティアという形に分類して、もう一度
顧客を増やすやり方を考えます。ただやるんじゃなくて、科学的に見直して、この方にはどう
いった手紙を出すとか、考えないとだめですね。
松本 一種のマーケティングですね。
山内 そう、マーケティングリサーチです。夜学で産業能率短大を出たんで、そこでマネジメントを
勉強していたから、その応用なんです。それと、儲かったお金をある程度ボランティアに注ぎ
込みます。投資ですね。それが何年か後になって活きてくるんです。
松本 具体的にはどうのようなボランティアを?
山内 ふるさとの宮城県栗駒町から夏と冬のふるさと定期便というものの、東京での会員募集を
頼まれています。
松本 何か故郷の物産を送ってくれるものですか?
山内 そう。それをやるとき、いろんな方々にDMを出すんです。イメージアップしますから。
町から頼まれている訳ですが、それで名前と業務内容を知ってもらんです。
松本 ふるさとに貢献しつつ、自己のイメージアップも図れますね。
山内 そうです。それから自分のウィークポイントを克服するために、事務所五訓を作りました。
「和み」 「省く」 「尽くす」 「喜ぶ」 「志す」ということです。まだまだやりたいことはいっぱい
あります。それが行政書士会という団体じゃなくて、山内個人としてね。

〜取材を終わって〜


 いつも実業家インタビューとは趣向を変え、今回は「行政書士はどうのように事務所を経営しているか」
 という観点でお話しを伺った。
 とにかく、温かい先生のお人柄を信頼して、クライアントは先生について来ているに違いない。
 しかし、先生ご自身の経営理念、それに基づいた、さまざまな工夫があるからこそ、成功なさっていると
 実感した。
 一方、先生が「儲ける努力をしない行政書士が多い」と嘆かれるシーンもあった。しかし、それは逆に
 これからの行政書士となる人が努力・工夫をすれば、成功するチャンスがいくらでもあると言えるので
 はないか?LEC出身の行政書士は優れた法律家であると同時に、優れた経営者・事業家になって
 欲しい。